FLYING DISC 第1章
ゴング基本編
BASIC GONG
ゴング関連の音源は非常に多く出ていますが、自分もコンプリートには
程遠い状況です。何しろ知らぬ間に未発表ライブ音源や、編集モノなどが続々と
色々なレーベルからお出ましになるので、玉りません。
さらにNEW YORK GONG、MOTHER GONG、PLANET GONG等、冠詞の付くゴングもまた
ゴングであり、アレンやジリのソロなどもゴングの一部であるわけで、きりが
ありません。そもそもゴングというものはバンド名ではなく、ひとつの文化であるので
しかたないですね。
さて異論があるかも知れませんが、自分の研究上の分類においては、
GONG名義による以下のアルバムが正調ゴングの作品であるとして扱っています。
- Mystic Sister;Magick Brother(1969)
- Camembert Electrique(1971)
- Continental Circus(1971)
- Flying Teapot(1973)
- Angels Egg(1973)
- You(1974)
- Shamal(1975)
- Gazuese!(1976)
- Live etc.(1977)
- GONG Est Mort/Vive GONG(1977)
- Expresso II(1978)
- 25th Birthday Party(1994)
もしこれから惑星ゴングへ旅立たれる初心者には、やはり4〜6作目に当たる
見えない電波の精Radio Gnome Invisible3部作が必須アイテムで
あるので、これから入ると涅槃でしょうね。これらは基本中の基本である重要作品
なので別途第2章「RGI編」で紹介してます。
またLive etc.などのライブ盤については第3章「ライブ編」を参照
してください。
とりあえずベスト盤を、という方は第7章「編纂物編」
をご覧下さい。
最新作"Shapeshifter"は90年代版ゴングとして別途
第5章「新ゴング編」に持って行きました。
それでは順次手持ちのアルバムをチェックしていこう。
Mystic Sister; Magick Brother(1969)
異論はありましょうが、
ジャケットにGONGというバンド名が表示されている(後でレーベルによってゴングと添えられたという説もある)し、25周年から逆算すると1969年がゴング誕生年となるし、このアルバムのジャケット内面はもうゴング世界だし、
コンセプト的にはゴング的なものの原形が随所に見られるので、これをゴングのファーストアルバムと見なしましょう。"Radio Gnome Invisible"の物語中にも、このMagick Brotherと
Mystic Sisterという語が登場する。これはアレンとジリのことでしょう。
当時のアナログLP盤では内ジャケットに1〜5がEarly Morning Side、6〜10が
Side of the Late Nightとアレン自身の筆で書かれている。作詞・作曲のクレジットは
全てGilli Smythとなっている。これは第3作"Continental Circus"にも言える
ことであるが、当時の印税がらみの問題らしい。実際にはほとんど全ての曲がアレンに
よるものと思われる。
- Mystick Sister: Magick Brother
チャイナシンバルに引き続き、ジリのスペース・ウィスパー
が既に登場している。このサイケデリックなイントロに続き、
アコースティックな楽器をバックに、フォーク調で歌われる。
エンディングのフルート、ヴァイオリン、ベースがインド
風味を醸し出している。
- Glad to Sad to Say
かなりコミカルで気怠い感じのヒッピー指向の曲。
エンディングでベース及びヴァイオリンのフリージャズ的な
インプロヴィゼーションが聴かれる。
- Rational Anthem
物悲しい雰囲気のアレンの弾き語り。背後に流れる
歪んだヴォイス(ギターのようにも聞こえる)がコーランの
朗唱またはシャナイを想起させる。これはドローンと呼ばれる、
ある音を通奏低音的にうねらせるというもので、アレンはよく
使う手法だ。
- Chainstore Chant/Pretty Miss Titty
2曲がメドレーで繋がっている。 前半のChainstore Chant。
まともなメロディーをジリが歌っているのは、この曲ぐらいでは
なかろうか。しかし、どう見ても(聴いても)これは音痴だ・・・。
敢えてこれをそのまま発表してしまったところがすごい。そして
次の曲Pretty Miss TittyはBEATLESに似たような感じの曲が
あったような・・・。途中にジリによる英仏両国語の詩の朗読は、
"Angels Egg"の"欲望の詩"と同じと思われる。
このようなバロウズ的な詩やフレーズの使い回しもGONGの特徴である。
- Hope You Feel OK
再びサイケデリックなフォーク調の弾き語り。フェイズシフト
をかけたアレン自信のオーバーダブによるコーラスが美しい。
この頃はやったパンを左右に振ってトリップ感を出すという手法
が用いられている。
- Ego
調子外れのピアノの伴奏で遊び感覚のワルツ。
よく聞くとドラムはしっかりジャズだなあ。
- Gongsong
GONGのテーマソングと呼ぶにはあまりにも普通っぽい曲。
サビの歌い方はパンクロック風。
- Princess Dreaming
猫の鳴き声のコラージュ作品。Smythの詩の朗読、フルートの
即興演奏などがかぶさる。
- 5&20 School Girls
Marhelbの即興的でかなりなラフ(笑)なSoprano Saxが聴ける。
- Cos You Got Green Hair
"Selene"や"Angels Egg"イントロなどに似た印度風瞑想モードの曲。
フリーテンポなアレンの即興的印度音階のヴォーカルに
バンスリ風のフルートがからむ。
全体的にはヒッピー文化の香り漂うフォーク・ロック的な雰囲気の中に、
ゴング的スペース・サウンドの発端を垣間見ることのできる、なかなか
オツなアルバムである。
CAMEMBERT ELECTRIQUE/GONG
(1971)
GONGとしてのセカンドであるが、サウンド的には、こちらの方が
よりGONGらしく、この作品でスペイシー・サウンドの方向性が確立された
と言え、コンセプト的にも、その後に発表されることになる
Radio Gnome Invisible 3部作
へと自然につながっていくような感じがする。
邦題は日本盤(初盤LP)においてつけられたものです。ただし
*印は私が勝手に付けました。
- Radio Gnome/ラジオの言葉
んごごごごーんぐ!FROM THE PLANET GOOOONG!!って感じで
GONGの自己紹介だ。
イントロダクションによく使われるテープ操作による短いSE。
わたしはこのシリーズを「ゴング・イントロ」と呼んでます。
ゴングの代表傑作である、続く"Radio Gnome Imbisible"3部作
の構想は、この時点からあったと思われる。
- You Can't Kill Me/殺せない
初期の傑作にして、ライブの定番曲。
Malherbeのサックスが絶妙に絡み変幻自在のゴング・サウンドが凝縮されて、
お得な1曲。通常は後述のCamambert Codaで終わることが多いが、オリジナル・
アルバム版ではあっさり終わる。
- I've Bin Stone Before/私は以前石だった*
オルガン、サックス、ベースをバックにルバートでアレンの
おどけた歌に続き、フリージャズなインプロを経て
全く異なるリフが展開してラテン風+変拍子の歌で突如終わる。
素材を集めて1曲にまとめたのかも知れないが、このあたりの
訳わからなさが最高だ。
- Mister Long Shanks:O Mother I Am Your Fantasy/幻想人間
ここでGONGのトレードマークのひとつ:
ジリのスペースウィスパーにより我々は宇宙に
浮遊し始める。
- Dynamite:I Am Your Animal/ダイナマイト:私はあなたの動物*
この曲は当時、結構ヒットしたと聞く。
"You Can't Kill Me"に似た曲ですが、こちらの方が
変化に乏しいが緊張感は大きいのは、12音階的な楽曲のためでしょうか。
定常的なリフに印象的で壮大なメロディーが乗ってくるという構成は、GONG
の楽曲によく見受けられるものである。
Ya sun wicked old target
が繰り返される部分からの早口なフレーズの
この曲のエンディングを私は個人的にCamambert Codaと
命名しているが、この部分は他の曲でも、
くしゃみなどと組み合わされ、いろいろ応用
されている。
- Wet Cheese Delirum/湿りチーズの錯乱*
このころ、アレンは盛んにCHEESE ROCKと自分達の音楽を
呼んでいるが、その意図は未だ謎である。
(どこかのインタビューで読んだ記憶はあるけど)
この時代ではサンプラーはないのでテープループ
だと思うが、語りのコラージュin FRENCH。
- Squeezing Sponges Over Policemens Heads/圧力
これも短い音のコラージュ。タイトルが笑える。
- Fohat Digs Holes In Space/空間の中
またしても宇宙的浮遊感覚の最もGONGらしい
イントロで始まる曲。この感じがいいのだ。
引き続いて飛んでる掛け合いの絡む歌の後、
あとからミックスしたのが○わかりの
ワザとらしいサックスソロ、ギターソロも最高。
"You"の"Perfect Mystery"に入る前
でも使われたフレーズでいきなり終わる。
- Tried So Hard/信頼
ファーストアルバムにはいっていそうな、
サイケ・フォーク調の曲。フルーツサラダ付き。
- Tropical Fish:Selene/熱帯魚:月の女神*
かなりポップであるがタイトル通りカラフルな展開で
来ている楽曲。
途中のローファイなアルトサックスの音色は、初期キング・クリムゾンのブートで聴ける
イアン・マクドナルドを彷彿とさせます。別にメドレーとする必要もないと思いますが、
その後はすばらしくミステリアスでスペイシーな「月の女神セリーヌ」への祈りにつながっている。
最後は再びCamambert Coda(専門用語でリプライズ)で終わる。
- Gnome The Second/ラジオの言葉再び*
アルバム冒頭曲(?)Radio Gnomeの短いリプライズで終わる。
Continental Circus/musique par GONG avec Daevid ALLEN
(1972)
(MANTRA 089/642089)
1970年開催のバイク500ccグランプリ(チャンピオンはジャック・フィンドレー)
の記録フィルムのためのサントラであり、’95年頃にやっとCD化された、一応
GONGとしての正式サード・アルバムである。
メンバーはよくわかりませんが、たぶんこの後の「RADIO GNOME」第1作と同一だ
ろう。雰囲気は前作の"Camembert Electrique"に近いが、よりスペイシーというか
トランスしていくような音になって来ています。これはインストの即興部分が延々
と続くことによるのでしょう。次作の"Flying Teapot"タイトル曲に通じるもの
がある。
ただ、この音をバックにしてのレースの映像はちょっと想像が難しいが、もし
あるのなら映像も見てみたい。このジャケ裏の写真がすさまじいのだ。たぶん
転倒して、バイクから投げ出され、そのまま逆さになって頭で走っているレーサーが
写っている(笑)。
- Blues for Findlay
ブルースといっても12小節単位のブルースではない。CANスタイルのワン・コード
で突き進んでいく曲である。(途中サビというかキメの部分が設けられて
冗長さを軽減している。)
特に後半部分は変則6拍子(注意深く聴くと一部11/8拍子)となり、
バイクの6段変速にマッチしている。
サーキットを駆け抜けるバイクのイメージも、そう思えば思い浮かぶかないことはない。
そう言えば"Flying Teapot"の最終曲に似ている。
- Continental Circus World
バイクの走り抜ける音、マーチング・バンド、前述の11/8インプロ部分、
インタビューの音声や語りがコラージュされたミュージック・コンクレート
風の作品。
- WHAT DO YOU WANT?
前半は小難しい8ビートのリズムに乗ってジリのスペースウィスパー
とグリッサンド・ギターが浮遊する、"Isle of Everywhere"〜Youの
原型とも言えるインプロヴィゼイションが続く。
この曲はタイトルは違うが、"Fohat Digs Holes In Space"
〜Camambert Electriqueと同じ曲の別テイクであると思われる。
- Blues Foe Findlay - Instrumental -
1曲目の後半のインプロヴィゼーション部分が延々と演奏される。
途中より出現するアルト・サックスはまるでヴァイオリンのように
艶っぽい。6分ぐらいのところでドラムのとちりがある。
エンディングはなぜかサックスがハイ・イコライジングな音色になって
フリーキーな感じで終わる。
以上、ここまでが本来の収録曲であるが、この後に別のレーベルから出たCD
(GIACOMO 777)には、2曲もボーナストラックとして本体と同時間くらいの長さで
未発表ライブ音源からの BLUES FOR FINDLAY および FLYING TEAPOT が入ってい
るのである。何とも悔しいではないか!ジャケットも紹介したものとは異なる
(よりオリジナルに近いと言うはなし)ので見分けがつきます。買うときは是非
そちらを買った方がお得です。
年代順ではここにRadio Gnome Invisible2部作が来ます。これらは前述の通り第2章にまとめていますので、そちらを参照して下さい。
Shamal/GONG(Virgin CDV2046)
砂の迷宮〜シャマール〜(1975)
- Mike Howlett(b,vo)
- Didier Malherbe(sax,flute,Bamboo Flute,Gong)
- Mireille Bauer(Marimba,Glockenspiel,Xylophone,Per,Gong)
- Pierre Moerlen(Drs,Vib,Tublar Bells)
- Patrice Lemoine(Keyboards)
Guest:
- Steve Hillage(g)
- Miquette Giraudy(vo)
- Sandy Colley(vo)
- Jorge Pinchevsky(Vln)
アレンとジリがゴングを抜け、残ったメンバーはゴングの活動を続けた。その後、ピエール
・ムーランあるいはディディエ・マレルブが主導権を握り、新たなメンバーも加わり、
正当派ジャズ・ロック路線へと移行する過渡的なサウンドで構築されたアルバムであ
る。
効果的なシンセサイザー使いのティム・ブレイクも抜けてしまい、スペイシー・
サウンドの最終要素であるスティーブ・ヒレッジは一応参加しているものの、前作
「YOU」のような宇宙トリップ感覚はほとんどない。
従ってゴングの演奏面のみをさらに高度に延長したようなインストルメンタル主体の
作品に仕上がっている。
とは言え完全にインスト化してしまってる訳ではなく、
マイク・ハウレットや多彩なゲストがリード・ヴォーカルを取るファンキーなナンバーも多く、
もろジャズ・ロック苦手の方にも楽しめるはず。
特にクレジットを見ても分かる通り、ムーラン=バウアーに
よるパーカッションが重要なウェイトを占めるようになってきており、今後の作品の
方向性を暗示している。そして(たぶんMalherbeの影響大と思われるが)
各種民族音楽の要素を取り入れ、
随所にユーモアも散りばめられている点ではゴングらしさの名残も見受けられる。
実は私は結構このアルバム気に入っているんです。
- 有翼眼/WINGFUL OF EYES
マイク・ハウリットがヴォーカルをとっている、ポップな曲。中間のフルートソロが心地よい。
- チャンドラ(月)/CHANDRA
1曲目とメドレーでつながっている。Pinchevskyのヴァイオリン・ソロが聴きどころ。
- 竹の精霊/BAMBOOJI
脱退したヒレッジといい仲のGiraudyのヴォーカルによるマカ不可思議な曲。
中華風の奇妙な歌からなぜか中南米フォルクローレへとつながっていく、
後のワールドワイド・アコースティック・コンセプトの亜ゴング系バンド、
GONGMAISON的な雰囲気を持つ曲だ。
- キャット・イン・ザ・クラークズ・シューズ/CAT IN THE CLARK'S SHOES
またもやサックスその他担当のMalherbeの音楽的ユーモアの光る曲。めちゃかっこいい
ジャズロック的なソプラノサックスでの即興から一転、最後にはカンツオーネになってしまう。
- マンドラゴラ/MANDLAKE
インストの落ち着いた感じの曲。マリンバやヴァイブの音が耳に残る。
- 砂の迷宮/SHAMAL
ゲスト・ヴォーカルによるファンキーな曲。なぜこの曲がタイトル曲なのかよくわからない。
ちなみにこの作品のプロデュースは、ピンク・フロイドのニック・メイスンが
手掛けている、という点でもサウンドの転機が伺えるはずだ。
GAZEUSE!/GONG
(1976)
(Virgin CDV 2074)
「万華鏡のようなキラメク・リズム。生々と躍動するギター。
ニューゴングの世界はここにはじまる。」
日本盤(LP)発売時のオビより。
孤高のギタリスト、アラン・ホールズワースがソフト・マシー
ン「収束(BUNDLES)」に参加後、スティーブ・ヒレッジにかわり
ゴングに加わった作品。さらにはフュージョン界ではお馴染み、
ミノ・シネルも参加している。
Personnel:
- Mireille Bauer(vib,Marimba,Glock,Toms)
- Mino Cinelou(conga,perc)
- Allan Holdsworth(g,vln)
- Didier Malherbe(sax.fl)
- Benoit Moerlen(vib)
- Pierre Moerlen(ds,Marimba,timpani,Glock)
- Francis Moze(b,gong,p)
上記からわかるように、パーカッション主体のこれこそ「ゴング」というバンド名に
ふさわしい音に変化している。このアルバムからPierre Moerlen's GONGと呼んでも
よさそうなサウンド。
ハウレットも抜け、すべてインストルメンタル曲である。
長くやっているプログレバンドの宿命とでも言いましょうか、
必ずロック・スピリットを忘れ、演奏主体のフュージョンになっていく、その明らかな兆し
を感じる作品。(この時点ですでにジャズロックというよりフュージョンといった方が近い
ような気がする。)
収録曲目
- EXPRESSO(Moerlen)
フェイズのかかったドラムスが非常に心地よく、リズム、メロディーも良く出来た曲で、
ピエール・ムーランの曲作りの才能を初めて知らしめた曲。
- Night Illusion/夜の幻覚(Holdsworth)
イントロのヘヴィーでかっこいいギターリフに続いて、ホールズワース節が登場、何でこう
なるの、みたいな妙な曲。
- Percolations Part 1(Moerlen)
"Angels Egg"にも同一タイトルのピエールの曲(というより即興的な音の遊び)が入って
いた。マリンバ、ヴァイブ等のメロディ・パーカッションによる東洋風のメロディーが絡みあう、
夢見ごこちな雰囲気で始まる曲。ピエールの手数の多いドラムソロがたっぷり
フィーチャーされる。
- Percolations Part 2(Moerlen)
ドラムソロに続き、パート2のイントロ。アランとディディエ・マレルブのフルートの
ユニゾンが美しい。続いてフルートソロ。このあたり、チック・コリアのリターン・トゥ・
フォーエヴァーっぽい感じ。続くアランのソロは、音は歪んでいるが、非常にモードジャズ
なフレーズの連発。実際このころ彼はアメリカのジャズ・フュージョン専門レーベル、CTI
に在籍して、不評な"Velvet Darkness"というアルバムを出している。そしてまさにそのタイトル曲と異名同曲なのが次の曲である。
- Shadows Of/影(Holdsworth)
アランのアコースティック・ギターの超高速ソロが聴ける。続いてエレクトリックに
持ち替え、「風に舞うシーツ」(from "Road Games/Allan Holdsworth")のようなソロになる。
- Esnuria(Moerlen)
のりのりの緊張感ある曲。Mozeの短いフレットレス・
ベース・ソロに続いて、アランの参加で出番の減った(笑)、
ディディエ・マレルブのテナーソロが楽しめる。
ほんとは彼が演奏(ソロなどの)主役でないとゴングっぽくないんですけどね。
- Mireille(Moze)
アランのアコースティック・ギターとモーズのエレピの静かなディオ。某深夜のFMラジオ番組
に思わず流れてきそうな曲。紅一点メンバーの女性ヴァイブ奏者、ミレイユ・バウアーに捧げた曲と思われる。
この後アラン・ホールズワースは(次作にもゲストで参加はしているが)すぐに脱退し、
UKに加入することになる。そしてゴングも益々ピエール・ムーランのバンドとなっていく。
EXPRESSO II/GONG
(LP VIRG-6015)1978
タイトルに2が付くのは、前作の米国盤のタイトルが"EXPRESSO"であったためで、サウンド的には前作"GAZEUSE"の延長線上にある。メロディー楽器の担当者は全てゲスト参加であり、このジャケット写真(銅鑼)に表現されるとおり完全に打楽器主体の音楽である。
Personnel:
- Pierre Moerlen(ds,glock,vib,xylophone,tubular bells)
- Mireille Bauer(vib,Marimba)
- Benoit Moerlen(vib)
- Hansford Rowe(bass)
以上が正式なゴングのメンバーである。すなわち3人の打楽器奏者&ベーシストであり、リズムセクションのみが残留したことになる。(このあとの、Pierre Moerlen's Gongに至っては、歌モノが登場することになるのだが)前作同様、歌は1曲もなく、演奏で勝負のアルバムである。
そしてギターをはじめとするメロディー楽器担当は
下記のような豪華な顔ぶれ。
Guests:
- Allan Holdsworth(rhythm nd lead g.)
- Mick Taylor(g)
- Darryl Way(vln)
- Francois Causse(congas)
- Bon Lozaga(rhythm g.)
そしてまた前作に引き続き、アラン・ホールズワースが、ゲストとはいえ、ほとんどの楽曲に参加。またカーブド・エア、ウルフのバイオリン奏者、ダリル・ウェイの流麗なプレイが聴きどころ。このアルバム中の1曲はライブ録音
なのだそうだが(Pierre Moerlen Web Pageの方からのメールによる)、いったいどれだろう。どれも完璧すぎてわかりませんです。
とにかくここに至ってゴングは、「きらめくリズムの音世界」という新次元でもって再び唯一無二(ONLY ONE)のバンドと化しているのだ。そして正しくこれは新たなピエール楽団の生誕とも言える。
したがって私の分類では、第U期ゴング(もちろん第T期はアレン在籍時)はこのアルバムをもって終結し、以降はピエール・モエルランズ・ゴングということになっている。そしてこの時期のゴングが後にゴングジラとして復活することになる。
収録曲目紹介
- HEAVY TUNE(P.Moerlen)
ハットの正確な刻みでスタート。ミック・テイラーのディストーション・ギターが曲に重厚な味をもたらしている。
- GOLDEN DILEMMA(H.Rowe)
Vibの5/4拍子のテーマによる軽快な曲。後半は(10+11+8+11)/8と言う複雑な変拍子の上にホールズワースのギターソロがうねる。
- SLEEPY(M.Bauer)
タイトル通り眠たげな曲調にギター(アラン)とバイオリン(ダリル)のソロが展開される。途中
7拍子に変化してベース・ソロ、続いて再びバイオリン・ソロ、最後はなぜか4/4拍子のファンク調になるという
不可思議な曲構成。
- SOLI(H.Rowe)
ベースのハンスフォード・ロウの作曲らしく、
フレットレス・ベースのイントロに続きアランのギター・ソロがテーマを奏でた後は、ベース〜ヴァイブ〜ギター(最高に速い)〜ヴァイブとギターの掛け合いという順序で、タイトル通りの脅威のソロ合戦が繰り広げられる。ついでにドラムソロも欲しかった。それにしてもGoodねえ、ロウのフレットレスベースは・・・
- BORING(M.Bauer)
東洋風6拍子のマリンバに導かれ、バイオリンが流麗なメロディーを奏する、アルバム"SHAMAL"の中の"Mandlake"にも似た雰囲気を持った曲。途中4拍子に転じて再びダリルのバイオリン・ソロが満喫できる。
- THREE BLIND MICE(B.Moerlen)
8/8拍子のパーカッションによるイントロの後、7/8拍子にてアランのギターソロ。変則拍子的なブレークを挟んだり
8/8にもどってパーカッションソロになったり、最後は超高速のマリンバのソロと一気に聞かせる。タイトル通り、3匹の盲目のねずみがちょこちょこ走っている感じである。このネズミとは、ひょっとしてゴングというバンドをこんな風にしてしまいながらも突き進む自分たちのことを表現しているのでしょうか?
そして、とうとうメンバー総入れ替え、バンドの音も100%変わってしまい、その上同時期にプラネットゴングなどの別ゴングの登場もあり、もはやゴングというバンド名では何かとまずいということでかどうかは知らないが、この流れのゴングは以降はPierre Moerlen's GONGという名前になるのであった。
私事ですが、人に貸したまま戻ってこないCDが多いのだ。特にミュージシャンの方は
その点ルーズで、ほっておくと自分のものと化したり、他人に又貸ししたり、誰から借
りたのかわからなくなって、違う奴に返してしまったりする。ゴング関係の皿は私に
すみやかに返してくれ。
Radio Gnome in Japan
Copyright(C)1997 by Yochim
Last modified on Jan.14,2000